内容証明郵便の出し方まとめ|窓口での注意点やe内容証明の利用方法

重要な書類を内容証明郵便として送る際は、以下2つの出し方があります。

  • 対応している郵便に直接持って行って窓口で手続きをする方法
  • Wordで文書を作成しインターネットにアップロードする方法

こちらの記事では、郵便局とインターネットのそれぞれの内容証明郵便の出し方や注意点、内容証明郵便に関連して、書き方や出した後の対応についてご説明します。

郵便局窓口から内容証明郵便を出す方法と注意点

冒頭でもお伝えしたように、内容証明郵便の出し方には2つがあります。

  1. 対応している郵便局に持っていく
  2. インターネットを使った提出(パソコンでの文書作成)

まずは、郵便局窓口での出し方と注意点についてご説明します。

対応している郵便局に限りがあるので注意

まず、内容証明郵便はどの郵便局でも取り扱っているわけではありません。内容証明郵便に対応している郵便局は「集配業務を行っている郵便局・支社が指定する郵便局」に限られるため、提出前に郵便局HPなどで確認しておくとよいでしょう。

各都道府県にある郵便局の1/4~半数程度しか対応していないため、近所の小さい郵便局に言っても提出できない場合がありますので、注意してください。以下のリンク先の下部にある条件指定から『内容証明』をチェックすれば、条件を絞って検索できます

表:内容証明郵便を送れる郵便局

北海道(582)青森県(99)岩手県(138)
宮城県(131)秋田県(129)山形県(113)
福島県(189)茨城県(109)栃木県(83)
群馬県(70)埼玉県(85)千葉県(117)
東京都(133)神奈川県(84)新潟県(164)
富山県(63)石川県(90)福井県(65)
山梨県(60)長野県(184)岐阜県(151)
静岡県(160)愛知県(170)三重県(117)

参考:日本郵政グループ|郵便局をさがす

提出時に持っていくもの

郵便局窓口で内容証明郵便を出す場合には、以下のものを持って行ってください。

  • 原本1通、謄本2通
  • 差出先と差出元の住所と氏名や社名を記載した封筒
  • 郵便料金

特に内容証明郵便は、3部を作成する必要があります。それぞれ、送付用・控え用・郵便局提出用になりますので、忘れず印刷等をしておきましょう。また、1度の利用で送れる文書は1通の指定がありますので、図面や返信用封筒等などを同封することはできません。

内容証明郵便の利用料金

内容証明郵便を送る場合、当然郵便料金がかかりますが、郵便料金に合わせて内容証明してもらうことにも料金がかかります。高額過ぎるものではありませんが、数百円は高くなるものだと認識しておきましょう。

一般の内容証明

1枚2枚3枚4枚5枚
440円700円960円1,220円1,480円

郵便物の料金

重量料金
定形郵便物
25gまで84円
50gまで94円

一般書留の加算料金

損害要償額が10万円までのもの435円
損害要償額が10万円を超えるもの10万円を超える5万円までごとに21円増

その他の主なオプションサービスの加算料金

区別料金額
速達重量250gまで290円
(略)(略)
配達証明差し出しの際320円
差出後440円

参考:郵便局|内容証明 ご利用の条件等

内容証明郵便の文字数制限

内容証明郵便での文書を書くにあたって、特に気を付けておくべき部分が文字数制限です。内容証明郵便には文字数と行数が指定されており、縦書きの場合と横書きの場合で異なります。

 文字数(1行あたり)行数(1枚あたり)
縦書き20文字以内26行以内
横書き20文字以内26行以内
13文字以内40行以内
26字以内20行以内
※句読点、括弧も文字数にカウントされます

参考:郵便局|内容証明の謄本の作成方法等を教えてください。

郵便局のサイトにもあるように、マス目入りの内容証明郵便用の用紙を使えば、文字数を気にせず簡単に作成することもできます。また、記号も1文字に加算されますが、記号の種類によっては2文字以上になる場合もあるので、注意してください。よく使われそうで、少し特殊な数え方をする文字数の例には以下のものがあります。

  • ㎡ → 2文字
  • ㎏ → 2文字
  • ⑤ → 2文字
  • ⑩ → 3文字

参考:郵便局|内容証明 ご利用の条件等

インターネット(e内容証明)を使った内容証明郵便の出し方

内容証明郵便の出し方にはインターネットを使った『e内容証明』もあります。こちらでは、e内容証明を使った内容証明郵便の出し方やメリット、注意点についてご説明します。参考:郵便局|e内容証明(電子内容証明)

まず、e内容証明のメリットとおすすめの人をご説明すると、以下のものが挙げられます。

e内容証明のメリット

  • 24時間対応
  • 郵便局にいく必要がない
  • 料金が少し安くなる
  • 送り先や金額等を少し変えるだけで最大100通送ることができる

e内容証明メリットについて大まかに言うと、手間がかからない・料金が安くなるという点です。インターネットだけで作成・提出ができますので、わざわざ郵便局にいく必要がありません。特にこのご時世には良い方法ですね。

料金については、だいたい1通あたり200~300円安くなります。これは内容証明郵便で送る書類の数が増えれば、金額差も大きくなりますので、一度に多く内容証明郵便で出す場合には、特に大きくメリットを感じることができるでしょう。

e内容証明がおすすめの人

  • まだ文書を作っていない
  • パソコンを一通り使える(Wordでの文書作成)
  • 近くに対応する郵便局がない
  • 複数の送り先で内容証明郵便を利用する

e内容証明はWordで文書を作成します。すでに手書きで書類を作成している方は、わざわざパソコンで作り直す必要があるのでおすすめできません。一方、すでに作成している人でも、Wordファイルに変換し直せるなら問題なくアップロードできます。

上でも触れたように、複数の送り先や書類を出す場合には、料金面でのメリットも大きくなるため、e内容証明がおすすめです。

e内容証明の料金と支払い方法

料金
郵便料金郵便料金84円
内容証明関連料金電子郵便料金電子内容証明文書1枚目15円
電子内容証明文書2枚目以降1枚ごとに(5枚まで)5円
内容証明料金電子内容証明文書1枚目382円
電子内容証明文書2枚目以降1枚ごとに(5枚まで)360円
同文内容証明(2通目以降1枚目)210円
同文内容証明(2通目以降2枚目以降1枚ごとに(100通まで))210円
謄本送付料金通常送付304円
一括送付(受取人数100人まで)503円
一般書留料金435円

参考:郵便局|e内容証明(電子内容証明)

E内容証明の料金は上の通りです。繰り返しますが、窓口から出すよりも若干料金が安くなります。また、e内容証明の料金は以下の2種類から選択することができます。

  • クレジットカード払い
  • 後納

基本的にはクレジットカード払いにした方が手っ取り早いのですが、後納の場合は指定口座への振込みや請求書払いができます。

後納する場合には、事前に取扱郵便局から承認を受ける手続きが必要になるため、若干手間がかかってしまいます。業務的に毎月内容証明郵便を利用するのであれば、後納でも良いでしょうが、1度限りであればクレジットカード払いが良いでしょう。

e内容証明利用の流れ

e内容証明の流れ

引用:郵便局|e内容証明(電子内容証明)

e内容証明の全体的な流れは上のようになっています。利用者は、ご自身で文書を作成し、アップロードするだけで後は配達を待つのみです。正本・膳本・郵便局用とそれぞれ文書を作る必要もありませんし、封筒を用意する必要もありません。

専用サイトへの登録とログイン

専用サイト』への登録とログインが必要です。登録はメールアドレスとパスワード設定のみで無料で行えます。その後ログインして利用を開始しましょう。

Wordでの文書作成

繰り返しますが、e内容証明でアップロードする書類はWordファイルが指定されています。すでに文書を作成している方は、Wordファイルに変換できるようにしておきましょう。

項目規定
文書作成ソフトMicrosoft Word 2010, 2013, 2016, 2019
文書枚数最大5枚まで
文字ポイントサイズ10.5ポイント以上145ポイント以下
用紙レイアウトA4縦置き・横書きA4横置き・縦書き
余白上左右:1.5cm以上上下右:1.5cm以上
下:7cm以上(全ページ)左:7cm以上(全ページ)
文字の種類JIS第1、2水準範囲の文字(外字はサポートしません。)
図・表使用できません
文字の装飾太字・斜体のみのサポート
(その他装飾はエラーとなります。)

参考:郵便局|e内容証明(電子内容証明)

提出するファイルにも規定が設けられており、規定を守っていないとエラーになる場合がありますので注意してください。

文書のアップロード

Wordファイルで作成した内容証明文書を専用サイトの指示に従いアップロードしましょう。また、同時に差出人と宛先の情報も入力します。

料金支払い

内容証明郵便として配達してもらうためには、料金支払いの方法も設定しましょう。上でお伝えしたように、クレジットカード払いか後納を選択することができます。

正本の配達と膳本の受け取り

内容証明文書や宛先などの情報を受け取った郵便局は、正本を宛先へ、膳本を差出人へと配達します。差出人が膳本を受け取ることでe内容証明での内容証明郵便が完了になります。

内容証明郵便に応じてもらいやすくするための出し方

内容証明郵便を出しても受け取ってもらえない場合があります。内容証明郵便は、あくまでも郵便局が文書の内容を証明してくれるサービスであって、法的拘束力を持たせるものではありません。例えば、慰謝料請求をしたとしても相手が拒否したり応じないことは往々にしてあると言えるでしょう。

内容証明郵便が受け取られない理由や対処法についてご説明します。

返送されるケース

まず、内容証明郵便が届かずに返送されることもあります。返送される主な理由としては、以下のものがあります。

  • 受け取り拒否
  • 宛所に尋ね当たらず
  • 保管期間経過
  • 転居先不明

宛先不明で返送される場合には、送り先の住所・連絡を再度確認・調査して、変更があるようでしたら新しい送り先へと送り直しましょう。受け取り拒否をされた場合には、相手が内容に応じないとの意思を見せたとも考えられます。法的措置も含め、次の手を打つ必要性も高くなるでしょう。

また、相手先には届いたとしても、反応がない場合もあるでしょう。文書には支払期限なども記し、それでも応じない場合には以下の方法を取っていってください。

強い文面や弁護士名義で再度送る

1度の内容証明郵便で反応がない場合には、厳しめの文面で送り直して再度請求等を迫ることで応じてくれる場合があります。具体的には、「なお、〇月〇日までに支払いがない場合には、法的措置に移らせていただきます。」などと期限を明確にして次にどうするのかを明記しておくことで、相手も無視せざるを得ない状況になってきます。

また、弁護士に依頼して弁護士名義で内容証明郵便を送ることで、より強いプレッシャーを相手に与えることが期待できます。

法的措置に移る

それでも反応がない場合や、書面のやり取りだけでは問題解決が望めないような場合は、訴訟提起などの法的手段も選択肢に入れてください。裁判所に認められれば、強制執行(差押え)などで金銭を回収できる場合もあります。

法的措置に移る場合には、必ずと言っていいほど弁護士の力が必要になります。できれば法的手段に移る前に交渉等で早めに解決することが良いケースが多いのですが、どうしても当事者同士だけでどうしようもできない状態になったのであれば、必ず弁護士に相談するようにしましょう。

内容証明郵便に記入する項目と注意点

内容証明郵便の出し方については以上ですが、まだ内容証明郵便の文書を作成していない人に向けて、内容証明郵便の書き方で抑えておくべきポイントをご説明します。

内容証明に記入する内容

内容証明郵便では、主に以下の項目を記入します。

  1. 記載日
  2. 差出先の住所・社名・氏名
  3. 表題(『催告書』や『請求書』など)
  4. 通知内容
  5. 差出元の住所・社名・氏

内容証明郵便の基本的な記入例

実際に書き方例を挙げてみると、以下のようになります。

令和□□年□□月□□日

○○県○○市○○町○○丁目○○番○○号

○○株式会社
代表取締役 ○○ ○○殿

△△県△△市△△町△△丁目△△番△△号
△△株式会社
代表取締役 △△ △△

表題

通知内容

内容証明郵便と聞くと少し重々しいイメージをするかもしれませんが、普段やり取りをする文書や手紙と書き方の形式が変わるものではありません。いつ作成した書類なのかを記すためにも、記載日は忘れずに記入しておきましょう。

用紙サイズや用紙の種類

内容証明郵便で送る文書に用紙サイズの決まりはありませんし、枚数にも制限はありません(枚数に応じて料金は変わります)。

また用紙の種類に決まりもありません。内容証明の書き方例では、原稿用紙のようなマス目入りの用紙がよく使われていますが、これは文字数が分かりやすいようにするだけであって、白紙に文章を印刷したものを使っても問題ありません。

一方、e内容証明を利用する際には、上でもお伝えした文字サイズ等の規定が設けられていますので、規定に沿って文書を作るようにしましょう。

まとめ

内容証明郵便の出し方には2つがあります。

  1. 対応している郵便に直接持って行って窓口で手続きをする方法
  2. Wordで文書を作成しインターネットにアップロードする方法

内容証明郵便に対応している郵便局は各都道府県1/4~半数程度ですので、近くに対応している郵便局がない場合には、e内容証明も検討してみてください。

基本的には普通の郵便物を送る場合と違いありませんが、送付用・控え用・郵便局提出用の3部用意しておくことを忘れずに(e内容証明では不要)。

また、内容証明郵便で文書を送ったからと言って、相手が応じてくれるとは限りません。特に重要な内容であれば、応じない場合の対処法まで記載したり、弁護士名義で送ったりするなどして、より強いプレッシャーを与えた内容で送ることを考えておきましょう。

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